便秘には食物繊維がいいと言いますね。
しかし便秘もに種類があって、食物繊維をとると、逆に便秘が悪化してしまうこともあります。
食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類あります。
便秘の種類によって、摂った方が良い食物繊維が違うんです。
便秘と食物繊維の関係についてまとめました。
食物繊維とは?
第六の栄養素
食物繊維は、人の消化酵素で消化されない、食べ物の中に含まれる成分です。
繊維というと、なんだか筋っぽいイメージですが、必ずしもそうではありません。
炭水化物として分類され、水溶性と不溶性があります。
昔は役に立たないものと思われていましたが、今は、その役割がわかってきました。
タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルを五大栄養素と言いますが、食物繊維は第六の栄養素と言われています。
どのくらい食べればいいの?
厚生労働省が推奨している一日の食物繊維摂取量は、
しかし若い人を中心に、ほとんどの年代で足りていないと言われています。
食物繊維の不足は、日本人の食事の欧米化が原因です。
ご高齢の方ほど、食物繊維をよくとっているというデータがあります。
おばあちゃんの煮物など、和食に多く含まれているのでしょうね。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維の特徴
水で溶けやすい食物繊維です。
水溶性食物繊維は水に溶けるとゲル状になります。ゼリーみたいな状態ですね。
粘着性があるため、食べ物を包みこんで、ゆっくり胃腸を移動します。
含まれる食べ物は?
生のこんにゃく、海藻、寒天、キノコ、きくらげ、切干大根など。
こんにゃくは凝固剤で固めると不溶性食物繊維になります。
水溶性食物繊維量で、イチ押しはらっきょうです。
100gあたり水溶性18.6g、不溶性2.1g。
らっきょうを100g食べれば、一日の食物繊維がとれちゃうんです!
でも、これは生の場合。甘酢漬けにすると、水溶性1.7g、不溶性1.6g。
残念ながら、減っちゃうんですよね。
エシャロットなら、100gあたり水溶性9.1g、不溶性2.3g。
エシャロットの方が、生でも食べやすいでしょうか。
また、押し麦は100gあたり水溶性6.0g、不溶性3.6g。いつものご飯に混ぜてはいかかがでしょう?
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維の特徴
水に溶けにくい食物繊維です。
不溶性食物繊維は水に溶けず、水を含んで膨れます。
含まれる食べ物は?
豆類、穀類、芋類、ゴボウ、ニラ、りんご、ブロッコリーなどに含まれます。
ゴボウやニラは、たしかに繊維のイメージありますよね。
豆類は不溶性ですが、納豆になると両方をバランスよく含むようになります。
また穀類は、精製すると食物繊維は失われます。
米なら、白米よりも玄米がおすすめです。
また、食物繊維のイメージが強いサツマイモ。調理方法で食物繊維の量が変化します。
生 100gあたり水溶性0.6g、不溶性1.6g
蒸 100gあたり水溶性0.6g、不溶性1.7g
焼 100gあたり水溶性1.1g、不溶性2.4g
美味しい焼きいもが1番いいってこと!? 加熱すると増えるなんて、ちょっと不思議です。
便秘の時に食べるのは、水溶性?不溶性?
理想のバランス
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は、役割が異なります。
それぞれバランスよくとることが大切です。
理想のバランスは、水溶性:不溶性=1:2
不溶性よりも、水溶性の方が不足しがちです。意識してとりましょう。
また、不溶性食物繊維を食べ過ぎると、便がかえって詰まって、コロコロになる心配もあります。
不溶性食物繊維をとる時は、必ず水分もたくさんとってください。
水分不足では、かえって便秘が悪化してしまいます。
また、便秘のタイプによって、食物繊維の取り方に注意してくださいね。
弛緩性(しかんせい)便秘
腸が動かないことで、便秘になってしまうタイプ。
野菜不足、運動不足が原因です。日本人に多いと言われています。
以下の条件に当てはまりますか?
- トイレの回数少ない
- 毎日出ない
- お腹がゴロゴロしない
- 運動をあまりしない
おすすめは不溶性食物繊維
不溶性食物繊維をとると、腸の蠕動(ぜんどう)運動が促されます。
必ず、水分も取ってくださいね。運動も心がけましょう。
痙攣性(けいれんせい)便秘
腸が痙攣して腸の一部がねじれてしまい、便が出にくくなってしまうタイプです。
ストレスや不規則な生活による、自律神経の乱れで起こります。
以下の条件に当てはまりますか?
- 便がコロコロしている。
- ストレスが多い。
- 便秘と下痢を繰り返すことがある。
- 突然激しい便意を感じる
おすすめは水溶性食物繊維
不溶性食物繊維を多くとると、かえって便秘が悪化します。取りすぎ注意です。
直腸性便秘
便が大腸ではなく、直腸でとどまって出にくいタイプです。
トイレに行くのを我慢したり、下剤を使いすぎて起こります。
以下の条件に当てはまりますか?
- 便が硬くて大きい。
- 便が出始めは硬いが最後の方は柔らかい。
- 残便感がある。
- トイレを我慢することがある。
おすすめは水溶性食物繊維
固い便が直腸で止まっているので、水溶性食物繊維をとって、便を柔らかくしましょう。
水分も多めにとりましょう。
そもそも便秘って?
弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘は、習慣性便秘と言われるものです。
他に、ダイエットなど食べる量が少なすぎるため起こる便秘や、大きな病気が原因の便秘もあります。
便秘かどうかは、回数や量よりも、体の不調があるかどうか。
毎日便がでなくても、すっきりして不快感がなけれな便秘ではありません。
おまけ
よく「レタス1個分の食物繊維が入ってます!」とか宣伝文句を聞きませんか?
実はレタスって、食物繊維はそれほど多くない野菜です。
レタス 100gあたり水溶性0.1g、不溶性1.0g。
キャベツ100gあたり水溶性0.4g、不溶性1.4g。
キャベツの方が多いのに、なんで、レタスを例えにしてるんでしょうね? 食物繊維っぽいイメージだから?
ちなみに生の大根なら、100gあたり水溶性1.4g、不溶性3.7g。
サラダなら、レタスサラダより大根サラダ! 切り干し大根もおすすめです。
※ 食物繊維量は文部科学省の食品成分データベースで調べた値です。
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